アレルギーを持つお子さんを育てる親にとって、旅行の計画は一筋縄ではいかないことが多いですよね。特に、食事や宿泊先の選択には細心の注意が必要です。
都心から電車で2時間かからず行ける箱根は、美しい自然と温泉が楽しめる人気の観光地ですが、アレルギー対応の宿泊施設がどれだけあるか不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、箱根でアレルギーに配慮した宿として、公式サイトでアレルギー対応をしっかりと謳っている旅館を厳選してご紹介します。
安心して家族で過ごせる場所を見つけることで、心からリラックスできる旅行を実現しましょう。
箱根・強羅 佳ら久
源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。客室や大浴場からは美しい自然の景色を眺めながら、リラックスしたひとときを過ごせます。
旅館からは、周囲の自然や山々の美しい景色を楽しむことができます。特に、四季折々の風景が楽しめるのが魅力です。
露天風呂つき客室
和のテイストを取り入れた落ち着いた雰囲気の客室が特徴で、ゆったりとした空間でくつろげます。
特に露天風呂付きの客室は、プライベート感があり、静かな環境でリフレッシュできるのでおすすめ。
食事
地元の新鮮な食材を使用した懐石料理が提供されるのもこの旅館の魅力。
季節ごとの食材を活かした料理は、見た目にも美しく、味わい深いのできっと思い出に残るはずです。
8品目のアレルギーに対応してくださるとのことで、事前の連絡を忘れずに入れておきましょう。
公式サイトのアレルギー対応ページはこちら
箱根小涌園 天悠
全客室に露天風呂を備え、四季折々の箱根の自然を堪能できる宿。コンセプトは「自然」と「和」のおもてなし、とのこと。
大浴場や露天風呂からは美しい自然の景色が広がり、心身ともにリフレッシュできる空間が整っています。
小涌谷に位置するこのお宿は、周囲の喧騒から離れ、自然に囲まれた静かで落ち着いた雰囲気の中で過ごすことができます。
一方で、バス停が目の前にあるほか強羅駅からの送迎もあるので便利ですし、主要な観光スポットへのアクセスにも最適です。
全室に露天風呂付き
なんと全室露天風呂付き!部屋でゆったりしながら、良質な小涌谷温泉を思う存分満喫できます。
部屋のお風呂であれば、男女関係なく家族みんなで楽しむことができますよね。
温泉でのんびり過ごすことで、家族の絆も深まります。
低アレルゲンに変更可能
メインレストラン「ダイニングはこね」では、宿泊2日前までに電話連絡をすると、【アレルゲン特定原材料8品目】を使用しない「低アレルゲンメニュー」に変更してもらえるとのこと。
新鮮な地元の食材を使用した料理は、見た目にも美しく、安心して楽しむことができます。
家族全員が満足できる食事を提供してくれるのは、旅行の大きな魅力ですよね。
公式サイトのアレルギー対策ページはこちら
まとめ
今回ご紹介した旅館では、事前のご連絡を入れることで、安心して家族での滞在を楽しむことができます。
いずれもホスピタリティに定評のある宿泊先ですので、食事やアメニティに関する配慮とスタッフの心遣いにはきっと満足できることと思います。
お子さんのアレルギーに合った食事を提供してくれる宿を選ぶことで、旅行中も安心して過ごせますよね。
箱根の美しい自然と温泉を楽しみながら、家族の絆を深める素敵な思い出を作りましょう。
ぜひ、アレルギー対応の宿を利用して、心温まる旅行を計画してみてください。
アレルギーっ子を育てる親は毎日のようににらめっこすることになる食品のアレルギー表示。
何がどう表示されているのか?表示されないものはあるのか?また、間違えやすい表現などもまとめましたので、確認しておきましょう。
そもそもアレルギー表示とは?
アレルギー表示とは、食物アレルギーを持つ人が安全に食品を選べるようにするための情報表示のこと。
日本では2015年に施行された「食品表示法」という法律によって定められた「食品表示基準」によって義務付けられています。
- 表示が義務づけられている「特定原材料8品目」
- 表示が推奨されている「特定原材料に準ずる20品目」
と大きく2種類に分類されますので、それぞれ確認しておきましょう。
特定原材料
アレルギー発症件数が特に多く、重篤な症状を引き起こす可能性があるため、必ず表示が必要と定められた原材料が8品目あります。
- 卵
- 乳(牛乳)
- 小麦
- そば
- 落花生(ピーナッツ)
- えび
- かに
- くるみ(2025年3月から義務化)
中でも、アレルギーの原因物質のうち、鶏卵・牛乳・小麦は、食物アレルギーの原因食物の全体の60%を占めています。
そばと落花生は症状が重篤になりやすいため、えびとかには成人になってからの発症や誤食が多いため、くるみは近年症例が増加しているため、などの理由で設定されています。
くるみに関しては、2025年3月から表示が義務化されましたので注意!
「そこからみえたクルミ」
そば・こむぎ、かに、らっかせい、みるく、えび、たまご、くるみ
の頭文字をとって、「そこからみえたクルミ」で覚えましょう。
特定原材料に準ずるもの
特定原材料8品目に加え、症例が多い20品目についても、可能な限り表示することが推奨されています。
- 魚介類:あわび、いか、いくら、さけ、さば
- 肉類:牛肉、豚肉、鶏肉
- ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、大豆、マカダミアナッツ、山芋
- 果物類:オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、もも、りんご
- その他:ごま、ゼラチン
「特定原材料等」と呼ばれることもあります。
推奨、つまり任意表示ですので注意しましょう。
アレルギー表示の対象
アレルギー表示の対象となるもの
アレルゲンを含む場合にアレルギー表示が必要となるのは、以下のものです。
- 販売する食品
- 容器包装された加工食品及び添加物
アレルゲンを含む添加物を使用した生鮮食品も対象となります。
アレルギー表示の対象とならないもの
一方で、アレルギー表示の対象とならないものもあります。
- 食品ではないもの(配合飼料・医薬品・雑貨類など)
- 容器包装に入れずに販売するもの(ばら売り・量り売りなど)
- 飲食店や出前
- 酒類
ばら売りの商品や飲食店はアレルギー表示の義務がないんですね。
任意で表示してくれています店を多く見ますが、義務ではないので表示がない場合も。これは注意しましょう。
アレルギー表示の方法
個別表示(原則)
個々の原材料の直後にそれぞれに含まれる特定原材料等を表示することが原則とされています。
「(◯◯を含む)」「(◯◯由来)」といった表現です。
例えば以下のような表示がされます。
- マヨネーズ(卵を含む)
- チョコレート(乳成分を含む)
- チキン(かに由来)
- カゼインナトリウム(乳由来)
複数の原材料に同一のアレルゲンが含まれている場合は、いずれか1箇所に表示すればよいことになっています。
一括表示(例外)
個別に表示することが原則ですが、例外的に、表示の場所が小さい場合などにまとめて表示されることが認められています。
「(一部に◯◯・◯◯を含む)」という表示です。
例えば以下のような表示です。
- 準チョコレート(パーム油、砂糖、全粉乳、ココアパウダー、乳糖、カカオマス、食塩)、小麦粉、砂糖、卵(一部に乳成分・小麦・卵を含む)
原材料名と添加物が別々に表示されている場合は、それぞれの欄の最後に表示されますので注意しましょう。
コンタミネーション
原材料としては使用していないものの、製造過程でどうしても混入してしまう可能性がある場合、「注意喚起表示」をすることが望ましいとされています。
この微量な混入のことを「コンタミネーション(略してコンタミ)」と言います。
コンタミは以下のように表示されます。
- 本製品の製造ラインでは、落花生(ピーナッツ)を使用した製品も製造しています。
- ◯◯の輸送設備等は大豆、小麦の輸送にも使用しています。
- 本製品で使用している◯◯などの二枚貝には、かにが共生しています。
- 本製品で使用している〇〇は、えびを食べています。
- 本製品で使用している〇〇は、かにが混ざる漁法で捕獲しています。
微量でも反応が出るようなアレルギーをお持ちの場合は、このような表記にも気を遣いましょう。
注意!間違えやすい表現
特定原材料等と表現方法や言葉が違っていても、特定原材料を使った食品であることが理解できる表記が認められています。
「代替表記」は原材料を表す言葉で、その代替表記が含まれた「拡大表記」にも注意しましょう。
ひとつずつ確認しておきましょう。
卵の表記
代替表記 | 玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、あひる卵、うずら卵 |
拡大表記例 | 厚焼玉子、ハムエッグ、液卵、粉末卵 |
卵ではない | 魚卵 |
乳の表記
代替表記 | ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム |
拡大表記例 | アイスミルク、ガーリックバター、プロセスチーズ、牛乳、生乳、濃縮乳、乳糖、加糖れん乳、乳たんぱく、脱脂粉乳 |
乳ではない | 乳化剤、乳酸、乳酸菌、ココナッツミルク、カカオバター |
「乳化剤」は脂と水を均一に混ぜるために使用される添加物のこと、
「乳酸」は「酸」の名称(最初に発見された時に牛乳から見つかったからこの名前がついた)、
「乳酸菌」は発酵すると糖から乳酸を作る微生物の名称で、
いずれも乳ではありません。
小麦の表記
代替表記 | こむぎ、コムギ |
拡大表記例 | 小麦粉、こむぎ胚芽 |
小麦ではない | 大麦、ライ麦、オーツ麦 |
そばの表記
代替表記 | ソバ |
拡大表記例 | そばがき、そば粉、そばボーロ |
落花生の表記
代替表記 | ピーナッツ |
拡大表記例 | ピーナッツバター、ピーナッツクリーム |
えびの表記
代替表記 | 海老、エビ |
拡大表記例 | えび天ぷら、サクラエビ |
かにの表記
代替表記 | 蟹、カニ |
拡大表記例 | 上海がに、カニシューマイ、マツバガニ |
くるみの表記
代替表記 | クルミ |
拡大表記例 | くるみぱん、くるみケーキ |
アーモンドの表記
代替表記 | (なし) |
拡大表記例 | アーモンドオイル |
あわびの表記
代替表記 | アワビ |
拡大表記例 | 煮あわび |
いかの表記
代替表記 | イカ |
拡大表記例 | いかフライ、イカ墨 |
いくらの表記
代替表記 | イクラ、すじこ、スジコ |
拡大表記例 | いくら醤油漬け、塩すじこ |
オレンジの表記
代替表記 | (なし) |
拡大表記例 | オレンジソース、オレンジジュース |
オレンジではない | うんしゅうみかん、夏みかん、はっさく、グレープフルーツ、レモン |
カシューナッツの表記
代替表記 | (なし) |
拡大表記例 | カシューナッツオイル |
キウイフルーツの表記
代替表記 | キウイ、キウィー、キーウィー、キーウィ、キウィ |
拡大表記例 | キウイジャム、キウイソース、キーウィジャム、キーウィーソース |
牛肉の表記
代替表記 | 牛、ビーフ、ぎゅうにく、ぎゅう肉、牛にく |
拡大表記例 | 牛すじ、牛脂、ビーフコロッケ |
ごまの表記
代替表記 | ゴマ、胡麻 |
拡大表記例 |
ごま油、練りごま、すりゴマ、切り胡麻、ゴマペースト |
ごまではない | トウゴマ(唐胡麻)、エゴマ(荏胡麻) |
エゴマは胡麻ではなく、シソの仲間です。
さけの表記
代替表記 | 鮭、サケ、サーモン、しゃけ、シャケ |
拡大表記例 | 鮭フレーク、スモークサーモン、紅しゃけ、焼鮭 |
「ます(鱒)」は代替表記ではないので「カラフトマス(さけを含む)」のように表記されます。
さばの表記
代替表記 | 鯖、サバ |
拡大表記例 | さば節、さば寿司 |
大豆の表記
代替表記 | だいず、ダイズ |
拡大表記例 | 大豆煮、大豆たんぱく、大豆油、脱脂大豆 |
大豆ではない | 緑豆、小豆(あずき) |
枝豆・もやし・黒豆などは代替表記に含まれないので、「枝豆(大豆を含む」、「大豆もやし」などのように表記されます。
鶏肉の表記
代替表記 | とりにく、とり肉、鳥肉、鶏、鳥、とり、チキン |
拡大表記例 | 焼き鳥、ローストチキン、鶏レバー、チキンブイヨン、チキンスープ、鶏ガラスープ |
バナナの表記
代替表記 | ばなな |
拡大表記例 | バナナジュース |
豚肉の表記
代替表記 | ぶたにく、豚にく、ぶた肉、豚、ポーク |
拡大表記例 | ポークウインナー、豚生姜焼、豚ミンチ |
マカダミアナッツの表記
代替表記 | マカデミアナッツ |
拡大表記例 | マカダミアナッツオイル |
ももの表記
代替表記 | モモ、桃、ピーチ |
拡大表記例 | もも果汁、黄桃、白桃、ピーチペースト |
やまいもの表記
代替表記 | 山芋、ヤマイモ、山いも |
拡大表記例 | 千切りやまいも |
りんごの表記
代替表記 | リンゴ、アップル |
拡大表記例 | アップルパイ、リンゴ酢、焼きりんご、りんご飴 |
ゼラチンの表記
代替表記 | (なし) |
拡大表記例 | 板ゼラチン、粉ゼラチン |
まとめ
アレルギー表示について少し理解できたでしょうか。
- 特定原材料8品目は「義務」、準ずる20品目は「推奨」
- 販売用に包装された加工食品が表示対象
- バラ売り・量り売りなど未包装のものや、飲食店・出前は表示対象外
- 原材料名または代替表記で表記される
- 極少量で反応する場合はコンタミ表示にも注意
メーカーによってですが、
原材料表示欄とは別にアレルゲンを抜き出して「使用しているアレルゲン(28品目対象):大豆・小麦」のように記載してくれている商品もよく見かけますよね。
きちんと理解し、アレルギーを起こす可能性を排除することはもちろんのこと、不必要な除去をしないで、楽しい食事をしていきましょう!