子供が産まれてから毎日一緒だった産休・育休期間にも終わりが見えてきて、ついに職場復帰を考えるとき、あれこれ不安になることは多いですよね。
食物アレルギーを持っている子供を育てる親なら尚更、気になることは多いと思います。この記事では、アレルギーっ子を保育園に預けて職場復帰する前に知っておきたいことをまとめました。
保育園でのアレルギー確認の重要性
保育園では、子供が集団で生活し、食事をするため、食物アレルギーの確認と対応は命に関わる重要な問題です。
生命の危険を防ぐ
食物アレルギーは、重篤なアナフィラキシー反応を引き起こす可能性があります。最悪の場合、命に関わることも。
特に、多くの方が職場復帰を考えるであろう乳幼児の頃は、自分で症状を伝えられないため、事前の情報共有と迅速な対応が不可欠です。
誤飲・誤食を防ぐ
子供は食べ物の区別が難しく、他の子の食事を口にしてしまうことがあります。
そのため、保育園では以下のような対応が必要です。
- アレルギー児の食事を個別に管理する
- 誤食を防ぐためのルールを作る(子供同士で食べ物を交換しない など)
- 給食やおやつのアレルギー対応を徹底する
こういった対応をとってもらうためにも、しっかりとアレルギーを伝えておく必要があります。
保育士や職員が適切に対応する
アレルギーのある子供がいる場合、保育士や職員に対応してもらうことも多くなります。
例えば以下のような対応です。
- どの食品が危険かを正しく理解する
- 症状が出たときにすぐに対応できるようにする(エピペンの使い方、救急連絡の手順)
- 日々の保育の中でリスクを減らす工夫をする(手洗いの徹底、食器の分別)
保護者と連携し、事前に情報を共有することでリスク低減や迅速な対応が可能になります。
保護者が安心して預けられる環境を作る
アレルギー対応がしっかりしている保育園であれば、保護者も安心して子供を預けられます。
アレルギーっ子のいる家庭にとって、安全な食事環境と万が一の対応体制が整っているかどうかは、園選びの大きなポイントです。
私の場合は、園見学の際には必ずアレルギー対応の方法や考え方について質問するようにしていました。
他の園児や保護者の理解を深める
アレルギー対応は、当事者だけでなく、園全体の意識向上が不可欠です。
- 園児同士が「アレルギーがあるお友達がいる」と理解する
- 保護者が誤食リスクを減らすために協力する
などが、安全を守る環境づくりに重要な要素です。
復職後の保育園との信頼関係
保育士との信頼関係の大切さ
アレルギーを持つ子供を安心して預けるためには、保育士との信頼関係が不可欠です。
日頃から子供の体調や食事に関する情報を共有し、万が一の際の対応について明確にしておくことが重要です。
息子が通う保育園には常勤の看護師さんがいるので、園長先生や担任の先生に加え、看護師の先生ともコミュニケーションをとるように心がけています。
アレルギー対応の実施状況
保育園がどのようにアレルギー対応を行っているかを事前に確認しておけば、安心して子供を預けることができます。
除去食の提供方法や誤食防止の対策、緊急時の対応など保育園の具体策を把握し、安心して預けられる環境かを見極めましょう。
保育園でアレルギー対応が必要な場面は意外と多くあります。
- 給食やおやつ(配膳〜食事中〜片付け、食後はお友達の手や口元・服などにアレルゲンがついている可能性も)
- 遊びの時間(小麦アレルギーの息子は「小麦ねんど」ではなく「米粉ねんど」で遊びます)
- 園内の植物や野菜(園で野菜を育てている場合があります)
- 行事食(「お楽しみ会」などのイベントでジュースやお菓子が提供されたりする場合があります)
- 遠足(外出時の水分補給で提供される飲み物など)
息子が通う園でも、イベントで給食献立表にはない食べ物を提供する時があり、事前に先生からお話をいただくようにしています。
定期的な状況報告の重要性
子供のアレルギー対応が適切に行われているかを確認するために、定期的な情報共有が必要です。
日々の食事や体調の報告を受けたり、保育士とのアレルギー面談を通じて、小さな変化も共有するようにしています。
うちの息子の場合は、小麦を少量(症状が出ない量)ずつ食べるよう病院から指導を受けているので、朝食でうどんを数センチ食べてから登園することがよくあります。
元気なときは食べられる量なのですが、体調によっては少し首を痒がったりすることもあるので、朝食で何を食べたのかは毎日先生に報告するようにしています。
勤務先でも子供のアレルギーを申告しておく
アレルギー関連での呼び出しの可能性
保育園に通い出した頃は、慣れない環境ですし、病気をたくさんもらってくるので「最初の数ヶ月は半分会社に行けたらいい方」なんて声も聞きます。
アレルギーっ子は、もちろんそのような体調不良の呼び出しに加え、万一のことがあった際にも呼び出しの可能性があります。
息子は一度、給食の時に少し離れたテーブルのお友達が牛乳を派手にこぼしてしまい、乳アレルギーの息子の顔に2滴ほどかかってしまったとの連絡を受けたことがあります。
幸い先生がすぐに拭いてくれたようで、息子に大きなアレルギー反応はなかったのですが、その日は会社を早退させてもらいました。
給食に関する面談を毎月実施
給食やおやつはアレルゲンを除去する必要があるため、他の子と同じものを食べられない日があり、その日は保育園で代替食を準備してもらうか、あるいはお弁当を持参するよう指示されることになります。
息子の通う保育園の場合、毎月の献立表をもとに面談を行い、代替食の提示・確認を行います。
面談自体の所要時間は15分程度ですが、保育園側の都合もありますので「いつものお迎えのついでに」という訳にはいきません。
私も毎月面談の日はいつもの退勤時間の1〜1.5時間前くらいに退勤する必要があるため、職場の理解を得るようにしています。
*保育園の食事についてはこちらの記事でご紹介していますのでご覧ください。
定期的な通院によるアレルギー治療
アレルギーの治療のために通院している場合は、その付き添いで定期的に休みをとる必要があります。
息子はだいたい1〜2ヶ月に1度くらいのペースで大学病院へ通院、その日の仕事は半休をとって対応しています。
日帰り入院でのアレルギー負荷試験
通院は半日程度の余裕を見ておけばいいのですが、負荷試験でとなるとそうはいきません。
基本的に日帰り入院となるので、朝から夜まで付き添いが必要で、その日は職場にお休みをいただくことになります。
負荷試験は、重篤な症状が出た場合には1泊の入院の可能性もあると説明を受けますので、場合によっては翌日の仕事にも支障が出る可能性だって否定できません。
呼び出し以外は事前準備可能
とは言え、アレルギーの治療や負荷試験は事前に日程が決まっているので、突発的な病気の対応のように当日急に「休みます・・・」というものではありません。
早くから休みをとらなければいけないことがわかっているので、その日に合わせて仕事量を調整しておいたり、同僚にお願いしておくことも可能です。
そういった意味では「できるだけ自分で調整しますのでよろしくお願いします」と説明すると、理解を得やすいのではと思います。
まとめ
言わずもがなですが、アレルギーっ子を保育園に預けるためには保育園のアレルギー管理体制をしっかりと確認しておく必要があります。不足するようならこちらから意見を言っても問題ありません。
一方で、復帰する職場へも申告しておくことで、アレルギーっ子特有の対応に対しても理解を得るようにしましょう。
チェックポイントとしては以下を確認しておくと安心です。
- 保育園)毎月の献立の確認と除去食はどうするのか
- 保育園)給食やおやつの時の配膳方法やリスク管理はどうなっているか
- 保育園)日常の遊びや生活の中でのリスクにはどう対処するか
- 保育園)行事・イベントごとなどで献立以外のものを口にするタイミングはあるか
- 保育園)園長・副園長・担任・栄養士・看護師などと積極的にコミュニケーションをとる
- 職場)子供のアレルギーについて説明し、早退・休みなどが発生することを理解してもらう
保育園も保育のプロ集団のはずですので、保育園もアレルギーの事故には細心の注意を払ってくれていることと思います。
毎日一緒にいた子供と離れて職場復帰となると不安もたくさんあると思いますが、いつかは通る道であり、子供の成長を実感するときでもあると思います。
私も復職当時は、アレルギーの不安を保育園の先生に相談することもできるようになって一人で悶々とスマホ検索魔に陥ることも減りましたし、通勤時間などに一人で行動できることに感動した覚えがあります。
この記事で、少しでも不安が減ってもらえれば幸いです。一緒に頑張りましょう!
地域によって・園によって、対応に違いがあると思いますのでご了承ください。